50/50 フィフティ・フィフティ
ガンを患った主人公の日々を描く。
決して生きるか死ぬかを大げさに迫ったりしないのが、この映画の良さ。
ガンを宣告されてからの主人公や、その周りの家族、恋人、友人、セラピスト達との関わりが見事に描かれている。
この友人は女ったらしでいつも下ネタしか言わないが、実は一番の友達思い。
ガンになる前と後で、主人公への接し方が全く変わらない。
平気でガンをいじるし、それをネタにナンパまでする。
それでもなぜか憎めない良いヤツって感じ。
こっそりガン患者との接し方を書いた本を読んでいた。
びっしり線が引かれているところを主人公が発見してしまう。
本当の友情には、遠慮と見返りは不要なのだ。
プラダを着た悪魔
表題の悪魔とは、高級ファッション誌RUNWAYの女性鬼編集長のこと。
文筆の仕事を夢に持つ主人公は、夢を掴むステップとして偶然この編集長の第二秘書として採用されてしまう。
次々に降りかかるオーダーは、時にコーヒーを買いに行ったり、時に開店前の店を開けてもらいステーキランチを用意したり、中にはハリーポッターの次回作原稿が欲しいなんてものも。
そんな仕事にあたふたしていた主人公が、はじめて変わる瞬間がこの映画の1番の見どころ。
それは、身にまとう服を変えたことだった。
同僚におばあちゃんのお古とまで蔑まれていた主人公が、プロに選んでもらった洗練された格好で現れた時、その顔が変わっていることに誰もが気づく。
決して格好が違うだけじゃなく、内面から溢れる自信が周りの見る目も本人の振る舞いも丸で一変するのだ。
この映画は、主人公が夢を掴むまでの立身出世の物語であり、華々しいファッションの世界の物語であり、人生で本当に大切なものを教えてくれる物語である。
フォレスト・ガンプ
今すぐ叶わなくても、想い続ける愛がある。
フォレストが軍隊、ピンポン、シュリンプ漁で成功をつかめたのは、不器用だったから。
もし学校で「本当はもっとできるはずだ」と、偏差値勝負をしていたら成功はできなかった。
オール4の優等生ではなく、オール1のフォレストだったからこそ、「性に合っていた」仕事が次々に分かったのだろう。
頭なんて悪くたって、ひたすらひとつのことに打ち込むことで、幸せな人生は送ることができる。
軍隊で栄誉賞を贈られても、
ピンポンで偉大な成績を残しても、
会社が成功して億万長者になっても、
振り返ってもらえなかったひとりの女性とも最後には結ばれる。
これもひとつの愛に打ち込んだからだ。
イエスマン "YES"は人生のパスワード
あるセミナーをきっかけに、どんなことにもYESと答えることを決めた男の物語。
また今度
先約がある
不可能だ
できない
それは無理
でも・・・
NOで埋め尽くす人生は、言い訳で埋め尽くす人生だ。
「それは流石に・・・」
と思うことこそ、YES!!
男の人生は動き出す。
男にYESの教えを授けたセミナー講師の教えがまた深い。
自分に嘘をついてYESと言い続け、トラブルが舞い込んだ男に一言。
「心が望まないときもYESと言えと言ったんじゃない。はじめはYESと言い続けることで心をならすんだ。自然とYESが出るように」
どちらかというと好きじゃないから…
僕には向いてないよ…
つい面倒くさくて…
いつの間にか無意識の内に新たなチャンスを断っていないだろうか。
その時は考えて答えているつもりでも、実は惰性でNOと答えてしまっていることに気がつくはずだ。
明らかに好きなことと明らかに嫌いなことには、誰でもYESとNOをはっきり言える。
でも、面倒くさいけど面白そうなことにYESというのと、嫌いだけど得しそうなことにNOと言うのは勇気がいる。
だから、人生が変わるのは、今までなら"つい"答えてしまっていたタイミングで逆を行くことなのだ。
そのための練習が「どんなときにもYES!」なのだ。
最高の人生の見つけ方
貧乏だけど家族に愛されるカーターと、大富豪だけど家族のいないエドワード。
偶然病院のベッドが隣り合った2人の寿命はのこり半年。
2人は「棺桶リスト」を作り、人生最期の旅に出る。
このままこれまでの人生の延長線上に生きるか。
本当にやりたいことをやって、笑いながら死ぬか。
スカイダイビング、
憧れの車に乗る、
アフリカのサバンナで狩りをする、
世界一の美女からキスをされる、
見知らぬ人に親切をする、
荘厳な景色を見る。
死ぬまでにやりたいことを紙に書き、味わったものには線を引いて消していく。
死に際に「バカやったな」と笑っていられるように、やりたいことは先延ばしにせず、生きているこの瞬間にやらないと。
本の読みすぎは、良くない。
アクションリーディング 1日30分でも自分を変える"行動読書" 赤羽 雄二 (著)
本の読み方には二種類ある。
本の読み方には二種類ある。
現実逃避の読書と、攻めの読書だ。
前者は本を読むことが目的になっており、実際に自分や身の回りの世界が変わったかは問わない。
それに対して、著者がオススメするのが「攻めの読書」である。
マッキンゼーで長年活躍していた著者、赤羽氏は、本を使うことで自分の行動を促し、仕事、ひいては人生に役立つ知恵を得ることを推奨する。
本を読むことは、良いことではない。
今回本書を手に取ったのは、心に突き刺さるようなこのメッセージがあったからだ。
これまで私自身、読者は良いことであると信じきっており、「自分は今えらいことをしてるんだ」ともいえるようなある種の過信が、読むべき本はどれか、読んだ本から何を得て、どんなアクションに移るかという肝心な視点を曇らせていたように思う。
病気の人が病状に対して適切な薬を飲むように、読書も現実の課題に対して適切に"処方"することで、効き目を何倍にも上げることができるのだ。
著者の読書愛が何よりの説得力
本書が「やみくもに本を読むのではなく行動に移す攻めの読書を心掛けてみよう」と思わせるのには理由がある。
著者の読書愛だ。
本の読みすぎを避けるために、書店に立ち寄ることまで我慢し、
一ヶ月に読んでも良い本の数を先に決めるという赤羽氏。
にもかかわらず、涙が出てくるような努力に心を震わせ、感動を味わいたいがために読書をするという。
マーカーが手元にないときには、線が引けないから読むのを我慢するという。
この言葉が、たまらないのだ。
きっと読書が好きな人間は、忘れられない奇跡の1冊がある。
偶然取った一行の言葉で人は生まれ変わるのだ。
あの時の感動をまた味わうために、意味もなく書店に立ち寄ってしまうのだ。
読書が好きで好きでたまらず、本当はもっと読んでいたいのに、仕事に打ち込むために読書論を打ち立ててきた著者の姿勢がヒシヒシと伝わってくる。
本を読まない人間に、「読んでいるだけじゃなくて、行動に移さないと意味はないよ」なんて言われても聞く耳が持てるはずがない。
君は読書の魅力を知っているのかい。
そう勘ぐってしまう。
でも、本書の著者は違う。
読書が好きだからこそのメッセージに満ちた本書。
つい好きだからとダラダラ読んでいる人によく効く一冊だ。
追伸.
でも、現実逃避の読書が一番幸せなのかもしれないよね。
命の言葉に出逢えた人が行動しないまま終わるなんてことはありえない。
そう信じている。