本の読みすぎは、良くない。
アクションリーディング 1日30分でも自分を変える"行動読書" 赤羽 雄二 (著)
本の読み方には二種類ある。
本の読み方には二種類ある。
現実逃避の読書と、攻めの読書だ。
前者は本を読むことが目的になっており、実際に自分や身の回りの世界が変わったかは問わない。
それに対して、著者がオススメするのが「攻めの読書」である。
マッキンゼーで長年活躍していた著者、赤羽氏は、本を使うことで自分の行動を促し、仕事、ひいては人生に役立つ知恵を得ることを推奨する。
本を読むことは、良いことではない。
今回本書を手に取ったのは、心に突き刺さるようなこのメッセージがあったからだ。
これまで私自身、読者は良いことであると信じきっており、「自分は今えらいことをしてるんだ」ともいえるようなある種の過信が、読むべき本はどれか、読んだ本から何を得て、どんなアクションに移るかという肝心な視点を曇らせていたように思う。
病気の人が病状に対して適切な薬を飲むように、読書も現実の課題に対して適切に"処方"することで、効き目を何倍にも上げることができるのだ。
著者の読書愛が何よりの説得力
本書が「やみくもに本を読むのではなく行動に移す攻めの読書を心掛けてみよう」と思わせるのには理由がある。
著者の読書愛だ。
本の読みすぎを避けるために、書店に立ち寄ることまで我慢し、
一ヶ月に読んでも良い本の数を先に決めるという赤羽氏。
にもかかわらず、涙が出てくるような努力に心を震わせ、感動を味わいたいがために読書をするという。
マーカーが手元にないときには、線が引けないから読むのを我慢するという。
この言葉が、たまらないのだ。
きっと読書が好きな人間は、忘れられない奇跡の1冊がある。
偶然取った一行の言葉で人は生まれ変わるのだ。
あの時の感動をまた味わうために、意味もなく書店に立ち寄ってしまうのだ。
読書が好きで好きでたまらず、本当はもっと読んでいたいのに、仕事に打ち込むために読書論を打ち立ててきた著者の姿勢がヒシヒシと伝わってくる。
本を読まない人間に、「読んでいるだけじゃなくて、行動に移さないと意味はないよ」なんて言われても聞く耳が持てるはずがない。
君は読書の魅力を知っているのかい。
そう勘ぐってしまう。
でも、本書の著者は違う。
読書が好きだからこそのメッセージに満ちた本書。
つい好きだからとダラダラ読んでいる人によく効く一冊だ。
追伸.
でも、現実逃避の読書が一番幸せなのかもしれないよね。
命の言葉に出逢えた人が行動しないまま終わるなんてことはありえない。
そう信じている。